出会いの幅も広がる「書道」を生涯の趣味として続けていきたい

書道部の顧問である山中先生は、小学生の頃から現在までずっと書道を続けています。書道をやっていたことで出会いの幅が広がり、生涯の趣味としてやり続けたいと話しています。


山中 恵理先生のお仕事

担当教科は国語で、中学3年生の担任。校務分掌は広報部や教務部、生徒会のほかに、学校図書館司書教諭免許を取得しているので、図書館も担当されています。書道を続けてきた縁で、校長室の壁に飾られている、本校建学の精神「報恩感謝」の字を書いたり、ニュージーランド海外研修やスキー合宿の節目の年には自身の作品をプレゼント。また、国語の授業では書道の経験を活かし、古文をはじめて扱う際に、平仮名の元になった漢字を紹介。歴史的仮名遣いをより深く理解して、少しでも興味を持ってもらえるように努めているとのこと。


学び続けていることは?

小学生の頃から続けている書道です。大学入学と同時に師匠に師事するようになり、本格的に書道を学ぶようになりました。展覧会締切前には1泊2日の合宿があり、1日に6〜8時間ほどは筆を持って書き続けます。書道には文化系のイメージがあると思いますが、体力を使うので意外と体育会系なところもあると思います。普段は月2回のお稽古やクラブ活動で生徒に教えながら一緒に書くことが多いですね。書道は私の生活になくてはならないライフワークのような感じです。

2021年に国の登録無形文化財に「書道」が登録。2024年1月26日には、文化庁より、「書道」のユネスコ無形文化遺産への提案が決定されました。こうした中で、ニュージーランドの書道の体験授業を担当させていただき、筆で書くことが少なくなってきた時代だからこそ、筆文字が貴重になってきたのではないかと、依頼をいただき光栄に思いました。筆文字の魅力が1人でも多く伝われば良いなと思っています。

面白さを感じる瞬間は?

書道と聞くと、多くの人が姿勢を正して座って書く様子を思い浮かべると思います。私も中学までの書道塾ではそうだったのですが、高校生になって書道部に入ってからはその固定観念が変わりました。床に広げた大きな紙に、中腰になって全身を使いながら書いていく。その体験をして、それまで以上に書道の面白さを感じるようになりました。

また、書く言葉を自分で決められるのも書道の魅力の一つだと思います。実は、筆を持って実際に書き始めるまでに結構時間をかけているんです。まずはいろんな短歌集や俳句集、詩集を手に取って、気になった言葉を集めていきます。学校の図書館にもよく足を運んでいます。

集めた言葉を実際に書いてみて、全体のバランスや白と黒のコントラストを見ながら、書く言葉を選びます。時には美術館へ行って、日本画や洋画などの絵を見てインスピレーションをもらうこともあります。

学ぶことで得たものは?

書道の世界には私よりも上の年代の方が多く、たくさんの人生経験をお持ちの方と接する機会が多くあります。会社員の方や主婦の方、ご自身で教室を開いている方もいますし、中には90代で現役の方もいます。人生の道しるべになるような方と多く出会えたのは、書道の世界に身を置いていたからだと思っています。

やはり教員として働いていると、どうしても学校の中で出会う方との繋がりが多くなってしまうので、書道をやっていたことで出会いの幅が広がったと思っています。書道は生涯の趣味としてやり続けたいですね。

貴重なお話をお聞かせいただき、
ありがとうございます。

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